中国が「香港国家安全維持法」の施行を強行したことで、香港市民の間では恐怖感から萎縮ムードが広がっており、何の制約もなしに自分の意見を言うことが当たり前だったこの地で、言論の自由が脅かされている。当局は、新法は「極めて少数」の者にしか適用されないとして不安の払しょくに努めているものの、新法への警戒感は、当局からにらまれることに慣れている活動家や記者、教師ら以外にも広がっている。香港では昨年11月の区議会(地方議会)選挙で民主派議員が地滑り的勝利を収めるなど、反政府デモへの支持は市民全体に広がっていた。そのため新法を巡る不安は、純粋な平和的デモを支持する一般市民にも拡大。新法の標的になることを恐れ、急きょ態度を変える動きが出ている。
香港社会に変容の兆し、自主検閲や警察への密告も
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