iDeCoの利用枠が拡大へ、4原則で導く「迷う余地のない」正しい活用法Photo:PIXTA

iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用枠拡大が検討されている。iDeCoは、個人の老後資金確保のためにぜひとも活用すべき制度だ。ただ、運用方針を自分で決めなければならないことがハードルの1つになっている。そこでiDeCoの正しい使い方をお伝えしたい。4つの原則に基づいてほぼ論理的に「迷う余地なく」運用方針を決めることができるのだ。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

iDeCoの利用枠が拡大へ
1万2000円から2万円に

 厚生労働省が通称「iDeCo(イデコ)」こと個人型確定拠出年金の利用枠の拡大を検討している。現在、公務員や勤務先に確定拠出年金制度がある会社員のiDeCo利用枠の上限が毎月1万2000円だったが、これを毎月2万円に拡大する方向だという。

 実際の利用可能枠は、企業年金等をどのくらい利用しているのかによって異なる。また、利用の可否が企業の年金制度の規約に影響されるなど、個々人によって条件が複雑に異なるのだが、この改正によって拡大するケースが多い。

 iDeCoは、昨年注目を集めてある種の“炎上マーケティング”となった「老後2000万円問題」をきっかけに加入が拡大しており、厚労省は普及をさらに後押ししようとしている。

 一方、iDeCoは、加入者が自分で自分の積立金の運用方針を決めなければならない。そのため、「申し込んではみたものの、どのように運用していいのか分からない」といった声も少なくない。iDeCoを提供する金融機関の側は、20個から30個に近い運用商品を並べており、利用者にとって分かりやすいとはいえない状況になっている。