年収2000万円超が1社
1000万円超が60社以上
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング2020」をお届けする。対象は、単体の従業員数が100人以上の企業とした。少数の従業員で構成される持ち株会社などが多く、当該グループ企業の一般的な年収よりも高いケースがあるためである。
ちなみに、昨年7月の「年収が高い会社ランキング2019」では、1位のキーエンスと2位のGCAの2社が、年収で2000万円を超えた。以下、3位の三菱ケミカルホールディングスから50位の清水建設までが1000万円超だった。
今年の上位の顔触れは、果たしてどうなっているだろうか。早速、ランキングを確認していこう。
1839万円でキーエンス2位
大手商社5社がベスト10入り
今回、年収の高さで1位となったのはイー・ギャランティで2413.1万円だった。今回2000万円を超えたのは、同社だけだった。業種は「その他金融」で、売掛債権の保証を手掛けている企業だ。伊藤忠商事が大株主となっている。
ただ、前期(2019年3月期)の年収をチェックすると、485.1万円にとどまっていた。今回の年収は、実に前期比で5倍に増えた計算になる。IR担当者に確認したところ、「この年だけの特殊要因があった」と説明した。
同社が導入している、従業員に自社の株式を給付する株式給付信託(日本版ESOP)が満期を迎えたため、「一部の社員の給与が、この年だけ高くなった」(IR担当者)ことによる影響が大きかった。
2位はキーエンスで1839.2万円だった。検出・計測制御機器大手で、猛烈な営業力と高年収で有名な企業である。今回、年収は前期比で12.9%減となり、2000万円には届かなかった。
ただし、イー・ギャランティの高年収が特殊要因によるものだったので、今回のランキングで実質的な1位は、キーエンスといってよいだろう。
3位はヒューリックで、1761.0万円。旧富士銀行(現みずほ銀行)の銀行店舗ビル管理が発祥の大手不動産だ。19年12月期の純利益は588億円で、8期連続で最高益を更新した。