特定の金融機関に属さない独立系金融アドバイザー(IFA)への転身を図る証券マンが増えている。独立・中立的な立場で顧客に資産運用のアドバイスを行う彼らは、貯蓄から資産運用への流れを加速させる新たな主役となり得るか。特集『乱戦!証券サバイバル』(全13回)の#7は、IFA普及のキーマンに迫った。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
コミッション型からフィー型へ
楽天証券が企図する収益モデル転換
「インターネット証券がこのまま生き残っていくとは考えていない」
楽天証券常務の大嶋広康は、2012年夏に社長の楠雄治から言われた言葉を、今も鮮烈に覚えている。なぜか。大嶋の問いに対する、楠の答えは明快だった。「取引と商品を起因とする手数料が減り続けるからだ」。
大嶋はその年、前職のゴールドマン・サックス証券から楽天証券に転職。1987年に日興証券(現SMBC日興証券)に入社して以来、有価証券を動かすことで手数料が当たり前のように発生する世界に身を置き続けた。
しかし今、大嶋は「手数料はやがてなくなる。対面金融機関も立ち行かないが、ネット証券もこのままでは生き残れない」と確信する。それは米国の事例を見ても明らかだからだ。