新型コロナウイルス感染拡大は、伝統的な証券業にビジネスモデルの大転換を迫っている。コロナ騒動のさなかの4月、旧日興出身の証券生え抜きとしてSMBC日興証券社長に就任した近藤雄一郎氏は、デジタル化と戦略的提携が変化対応の鍵になるとみる。(聞き手/ダイヤモンド編集部 重石岳史)
出資、人材派遣、システム共同開発…
SBIとタッグを組んだ戦略的提携の狙い
――コロナ禍の只中での社長就任となりましたが、社内ではいろいろな変化があったのでしょうか。
入社以来、日々変動する商品を取り扱ってきたので変化は嫌いではないが、今回は本当に大きな変化を迎えたと思う。
われわれは今年4月の中期経営計画の策定に向け、5年後の証券業がどうなるかについて昨夏から議論を重ねていた。その中で出てきたテーマの一つが、デジタル化やリモートワーク。働き方も含めて大きく変化していくだろうと話し合っていたところ、想定以上のスピードでそれが進んだわけだが、変化にはしっかり乗れている。
個人投資家が資産を毀損し、われわれの対面営業もできなくなったので、4月の国内営業は厳しかった。しかし国内で厳しかった部分は海外事業でしっかりフォローできている。こうした部門や国内外の横の連携は今後もしっかり強化していく。
――国内の対面営業が厳しかったということですが、今後の対応は。