乱戦!証券サバイバル#9
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複雑かつ巨大なシステムを抱える証券業は、装置産業としての側面も持つ。そんなビジネスの舞台裏で、覇権を握るのが野村総研(NRI)だ。重いシステム負担に嫌気し、脱NRIを模索する動きも出始めている。特集『乱戦!証券サバイバル』(全13回)の#9は、そんな業界の「裏」に迫った。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

業界の「胴元」が荒稼ぎ
証券各社にくすぶる不満噴出!

 食うか食われるかの熾烈なサバイバル戦が繰り広げられている証券業界の裏側で、「ぼろもうけ」している民間企業がある。野村総合研究所(NRI)だ。

 NRIはコンサルティング会社のイメージが強いが、2019年度に過去最高を更新した売上高5288億円のうち、コンサルティングは全体の7%程度にすぎない。売上高の過半を占めるのが、金融機関向けのシステムから得られる収入だ。

 NRIの源流は、野村證券の調査部とコンピューター部門にある。野村證券から分社化した二つの会社が1988年に合併し、01年に上場。時にその時価総額は、元親会社の野村ホールディングス(HD)を上回る。日本最大のシンクタンクでありながら、前述のように情報システムの設計・開発・運用で多額の利益を稼ぎ出しているのだ。

 NRIのシステムの中でも、証券業界で「デファクトスタンダード」(事実上の標準)といわれるのが、リテール証券会社向け総合バックオフィスシステム「THE STAR(スター)」だ。NRIによれば、スターを導入する企業は今年3月末時点で75社に上る。

「うちのグループで年間150億円くらい(野村)総研さんに払っていた。こんなばかなことはない!」

 ダイヤモンド編集部のインタビューでそう怒りをぶちまけたのは、そのスターを導入する証券会社の一つ、SBIホールディングス(HD)社長の北尾吉孝だ。