今こそ求められる
構成教育の本質
今日、「VUCA(変動、不確実、複雑、曖昧)」の時代といわれるように、世界はますます混沌を極め、コロナ禍はそれに拍車をかけている。これまでの常識が通用しない現代において、これほどまで人々の創造性や想像力が必要とされている時代はない。バウハウスの教育システムや日本の構成教育運動の基本となる考え、すなわち、本質を見極めて抜き出し、抽象化して応用する能力が、ビジネスや社会課題、教育において求められているのだ。
「バウハウスとは一つの理念だった。それゆえに波及力を持ち、世界中に途方もない影響を与えたのだ」(最後の校長を務めた建築家のミース・ファン・デル・ローエ)
日本の「バウハウスラー」たちによる戦前・戦後の構成教育運動は、当時の教育のフレームにフィットせずについえたが、今ならその素地はあるはずだ。バウハウスには、誕生から100年が過ぎた今でも、困難な時代を乗り切るヒントが詰まっている。