「企画プレゼンが通らない」「営業先の反応が弱い」「プレゼン資料の作成に時間がかかる…」など、プレゼンに関する悩みは尽きません。そんなビジネスパーソンの悩みに応えて、累計21万部を突破した『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』シリーズの最新刊『プレゼン資料のデザイン図鑑』が発売になりました。この連載では、同書のコンテンツを紹介しながら、著者・前田鎌利氏がソフトバンク在籍時に孫正義社長から何度も「一発OK」を勝ち取り、ソフトバンク、ヤフーをはじめ約600社に採用された「最強のプレゼン資料作成術」のエッセンスをお伝えします。

 早速ですが、この約20秒の動画をご覧ください(お急ぎの方は、この動画だけご覧いただいてもポイントを把握いただけます)。

 いかがでしょうか?

 改めて、ビフォー・スライドを見てみましょう。

 このスライドは、キーメッセージにあるように「10代の半数以上が海外旅行に興味がある」ことを伝えるものです。しかし、情報量が多くて、その意図を読み取るのが難しいスライドになっています。

 しかし、このような情報量の多いスライドでも、ちょっとした工夫をすることで、格段にわかりやすくなります。ポイントは大きく二つあります。

 第一に、キーメッセージの位置を変えます。現状では、キーメッセージがスライドの最下部にありますが、これではすぐに目に入ってきませんので、「何を伝えたいスライドなのか?」がわかりにくくなっているのです。

 連載第1回でお伝えしたように、グラフなどが入る場合には、「左グラフ、右メッセージ」が最も認識しやすい配置ですが、上記のスライドのように、表の右側にキーメッセージを置くことができないケースもあります。その場合には、キーメッセージが真っ先に目に飛び込むように、表の上にキーメッセージを置くようにしてください。

 第二に、表をわかりやすく加工します。まず、表の背景に色を敷くと数字が読みにくくなるので、背景は白地にするようにしてください。そして、最も強調したい数字、すなわち「10代で海外旅行に興味がある人が57人(57%)」という部分をハイライトにするように加工します(下図参照)。

 このように、キーメッセージ「10代」「半数以上」、表の「57」を強調することで、「10代の半数以上が海外旅行に興味がある」というスライドの意図を、最短の時間で理解してもらえるようになるのです。

 プレゼン資料を作成するうえで重要なのは、「何を伝えたいのか?」を明確にしたうえで、最も重要なポイントにすぐに目がいくようにデザインすることです。特に、細かい数字が入った表は情報量が多いために、生データのままスライドに貼り付けると、非常にわかりにくいものになりがちです。そのような場合には、「伝えたいポイント」をハイライトすることを忘れないようにしてください。

前田鎌利(まえだ・かまり)
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。「飛び込み営業」の経験を積む。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。営業プレゼンはもちろん、代理店向け営業方針説明会、経営戦略部門において中長期計画の策定、渉外部門にて意見書の作成など幅広く担当する。
2010年にソフトバンクグループの後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして数多くの事業提案を承認されたほか、孫社長が行うプレゼン資料の作成も多数担当した。ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍したのち、2013年12月にソフトバンクを退社。独立後、『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』(ダイヤモンド社)を刊行して、ビジネス・プレゼンの定番書としてベストセラーとなる。
ソフトバンク、ヤフーをはじめとする通信各社、株式会社ベネッセコーポレーションなどの教育関係企業・団体のほか、鉄道事業社、総合商社、自動車メーカー、飲料メーカー、医療研究・開発・製造会社など、多方面にわたり年間200社を超える企業においてプレゼン研修・講演、資料作成、コンサルティングなどを行う。