バウハウス
ヴァルター・グロピウス設計(1925-26年)のバウハウス・デッサウ校舎 撮影:柳川智之(2015年)

現代デザインのルーツともいえる「バウハウス」。1919年にドイツのワイマールで誕生し、わずか14年で閉鎖に追い込まれた造形学校だが、バウハウスの誕生は世界中の建築やデザイン、そして人々のライフスタイルやビジネスモデルを一変させた。創立100周年を迎えた今、バウハウスは再び注目を集めている。バウハウスはなぜ今も世界中に大きな影響を与え続けているのか?そして、戦前・戦後で盛り上がりを見せた日本の「構成教育」運動とは何か?(ダイヤモンド社編集委員/クリエイティブディレクター 長谷川幸光)

世界中に大きな影響を与え続けている
「バウハウス」とは一体何か?

「バウハウス」という言葉を聞いたことはあるだろうか?

 バウハウスとは、第一次世界大戦後の1919年、ドイツ中部の古都・ワイマールに設立された造形学校である。インフレや恐慌、ソ連の誕生、そしてナチスの台頭と、混沌とした政治状況の中で運営が続いたが、ナチスの圧力によって1933年に閉鎖に追い込まれた。

 存在した期間はたった14年間だが、バウハウスの誕生は世界中の建築やデザイン、そして人々のライフスタイルやビジネスモデルを一変させた。ワイマールやデッサウのバウハウス関連遺産群は世界遺産にも登録されている。

バウハウス(2)
バウハウスのマイスター(教授)たちが暮らした「マイスターハウス」(ヴァルター・グロピウス設計) Photo by HasegawaKoukou

 バウハウスの影響は今もいたるところに見ることができる。たとえば、ルイ・ヴィトンやフォルクスワーゲン、ドミノ・ピザ、Fedexといった有名企業のロゴに使用されている書体「Futura(フーツラ)」。アップルやマイクロソフト、フェイスブック等が推奨するユーザーインターフェイス(UI)の「フラットデザイン」。さらにはIKEAの家具やアウディの車体、世界中のモダニズム建築(近代建築)など、枚挙にいとまがない。バウハウスは現代デザインのルーツといっても過言ではない。

 バウハウス創立100周年にあたる2019年から2020年にかけて、世界中で関連イベントや展覧会が開催されており、今、バウハウスは再び注目を集めている。日本でも国内5カ所の美術館を巡回する企画展「開校100年 きたれ、バウハウス ―造形教育の基礎― 」が開催され、残すは東京ステーションギャラリーのみとなった(2020年9月6日(日)まで開催中。新型コロナウイルス対策により日時指定予約制)。

 バウハウスという学校は短命だったにもかかわらず、なぜそこまで人々を魅了し、今も世界に大きな影響を与え続けているのか?

「バウハウス」という言葉は独り歩きし、建築やデザイン、アートの分野において、「バウハウススタイル」といった一つの様式や「現代デザインの運動」というふうに語られることが多いが、実は学校としての教育プログラムにこそ、その本質がある。