ロボット船の開発進む 自動運転車の先行くかメイフラワー号で作業するスタッフ Photo:James Arthur Allen for The Wall Street Journal

――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト

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 メイフラワー号の大西洋横断から400年後、同じ名を冠した船がその歴史的航海を再現する。しかし、最初のメイフラワー号が102人の乗客を乗せて米マサチューセッツ州プリマスに向かったのに対し、今回の船は来春、無人で約2週間にわたり大西洋を運航する。

 海洋研究を行う英非営利組織プロメアはIBMとパートナーシップを組み、この新しい完全自動運航型のメイフラワー号を9月16日に披露する。場所はメイフラワー号が1620年に出航した英海岸沿いの町プリマスだ。

 自動化が米国の労働者の経済格差を拡大させる中、2021年に無人の自動運航船に海を横断させることが象徴するものは、やや分かりやす過ぎるかもしれない。しかし、船の開発者は、自動運航船は人を機械に置き換えることが目的ではないと強調している。それよりも、有人ではコストがかかりすぎる、または危険すぎるとみなされる航海に役立てることが狙いだという。

 自動運航船を開発する企業の主張には共通点がある。海洋データや科学研究、洋上巡回、新たな輸送手段の必要性に迫られているにもかかわらず、地球表面の7割を覆う海に対して人員や船があまりに少なすぎるというのだ。こうした現状は路上や上空の状況とは対照的だ。しかし、自動運転車やドローン(無人機)と同じく、自動運航船の導入も、技術的ハードルだけでなく、リスクをどの程度許容するかにかかっている。

人間を排除することのメリット

 こうしたロボット船のパイオニアたちは、海洋や内陸水路は巨大な未活用の資産だと主張している。宇宙などの比較的ハードルのない他の場所をロボットを使用してうまく開拓したやり方を採り入れることができれば、われわれはそうした資産をもっと活用できる可能性がある。しかも、よりクリーンかつ効率的な方法でだ。つまるところ、過酷な海洋環境から人間を保護する必要がなければ、船には操舵(そうだ)室や寝棚、平らな甲板、トイレは必要ない。