地方エリートの没落 地銀・地方紙・百貨店#8
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加速度的に進む販売部数減にあえぐ地方紙。このままでは緩慢なる死がいずれ訪れるのは誰の目にも明らかだ。しかし、各紙は改革に着手したものの、遅々として進んでいないもようだ。特集『地方エリートの没落 地銀・地方紙・百貨店』(全13回)の#8では、地方紙にかけられた3つの呪いの実情に迫る。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰、岡田 悟)

昔ながらの仕事量のまま進む
「働き方改革」という名の賃金カット

 新聞業界が、人口減少や若年層の活字離れなどに起因する構造不況に突入して久しい。目下の地方紙を襲うのは、ロートル幹部の支配と働き方改革、そしてデジタル化という三重苦だ。事情は、もちろん全国紙でも変わらない。だが、その深刻さのレベルが段違いなのだという。

「まず前提として知ってほしいのは、多くの地方紙では、地元のニュースであればどんな小さな事でも全国紙に特ダネを抜かれるのはご法度ということです」

 そう言ってため息をつくのは、ある地方紙の元編集幹部だ。

「業績悪化によって採用者数が激減しているにもかかわらず、県警ネタでいえば『今日、逮捕へ』といった、大半の県民にとってはどうでもいい特ダネのために、ロートル幹部の多くは昔と同じ『夜討ち朝駆け』を陰に陽に強制しています。時代は変わったのに、取材と記事の在り方を変えられないのです」(同)

 地方紙記者に求められるのは、そんな全国紙との特ダネ合戦における“完勝”だけではない。

次ページ以降では、ロートル幹部の支配が地方紙のジャーナリズムと経営に及ぼす悪影響を深掘りするとともに、名ばかりの働き方改革とデジタル化という「3つの呪い」に苦しむ地方紙の現況に迫ります。さらに、運用型広告で成果を挙げてきた神戸新聞社の現在の取り組みをレポートします。