列島明暗 都市・地方財界・名門企業#1
Photo:Sean Pavone/gettyimages

450件を超えたコロナ倒産。その特徴は、飲食・アパレル・宿泊の3業種に集中していることだ。コロナ倒産リスクが高い業種に依存する都市はどこか。特集『列島明暗 都市・地方財界・名門企業』の#1では、人口10万人以上の265都市を対象に、“コロナ倒産危険3業種”への依存度を調べ、課題を抱えるエリアを探った。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

450件を超えたコロナ倒産
衣・食・泊の3業種で続出

 温泉街として名高い大分県別府市。別府湾が眼前に広がり、JR別府駅から約500mの国道沿い。市のシンボルである「別府タワー」の正面という一等地に立ち、地元でおなじみの老舗ホテルがコロナ禍で倒産に追い込まれた。

 8月21日、別府市の「ホテル三泉閣」が大分地裁に自己破産を申請した。帝国データバンク大分支店によれば、負債総額は約12億円。新型コロナウイルス感染拡大に関連する倒産の負債額としては九州で最大規模だという。

 ホテル三泉閣は1953年に創業。別府湾を一望できる源泉掛け流しの展望大浴場や露天風呂付きの客室などを備え、団体旅行客をターゲットにビジネスを展開してきた。韓国を中心とするインバウンド旅行客からも人気を集め、2008年1月期の売上高は7.8億円に達した。

 ところが16年に発生した熊本地震の影響で国内団体客の足が遠のき、17年1月期の売上高は約6億円までダウンする。韓国のインバウンド客などでなんとかしのいでいたものの、コロナ禍で客が激減したことが致命傷になった。4月の緊急事態宣言に伴いホテルは休館し、そのまま67年の歴史に幕を下ろした。

 コロナの影響を受けた倒産が、全国各地で増え続けている。帝国データバンクによれば、8月27日時点で468件に達した。

 もともと倒産件数が多い業種として知られていたのは建設業や製造業、飲食業である。人手不足倒産が話題となったここ数年は運輸業でも増加傾向だった。ところが、コロナ倒産は従来の倒産とは異なる特徴を示している。

 コロナ倒産した企業を業種別で見ていくと、飲食業が64件と最も多く、ホテル・旅館の52件、アパレルの33件と続く。飲食業を除けば、これまでの“常連”とは違う顔触れが上位にきている。

 コロナ倒産が目立つ「衣・食・泊」3業種の共通点は、日銭商売で固定費率が高いことだ。業種別の固定費率を比較すると、小売業の38.2%や製造業の37.9%に対し、ホテル・旅館は70.0%、飲食業は62.1%、アパレルは44.2%と高い(帝国データバンク「全国企業財務諸表分析統計」)。

 固定費の負担が大きい故に資金がショートしやすく、コロナに伴う外出自粛で資金繰りに窮して倒産に至ってしまうのだ。

 7月以降、コロナの感染者数が全国で急増。1日当たりの感染者数が4月の第1波の時期と比べ倍近くに上る日もある。感染第2波、第3波が到来し、外出自粛や移動制限が再び強まる懸念は常に付きまとう。もしもそんな事態に陥れば、衣・食・泊3業種の倒産リスクはさらに高まる。

 日本列島を襲ったコロナショックは、各地の経済や雇用を激変させた。そして、コロナ倒産リスクの高い業種に依存する自治体はさらに手痛いダメージを受けかねない。

 そこでダイヤモンド編集部は全国265都市を対象に、コロナ倒産リスクの高い衣・食・泊3業種への依存度を調べてランキング化し、課題を抱えるエリアを探った。