中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の苦境は広範にわたる巻き添えを生んでいるが、全てがそのせいとは言い切れない。単に成功する価格に設定されていないこともある。実際、今年の日本有数規模の新規株式公開(IPO)も、少しばかり高値に見える。半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスは28日、東京証券取引所へのIPOを延期すると発表した。IPOでは新株と既存株の売却で合わせて最大30億ドル(約3200億円)ほど調達する予定だった。同社はNAND型フラッシュメモリーで世界2位のメーカーだ。東芝は2年前、原子力発電事業の迷走で経営危機に陥り、キオクシア(当時の東芝メモリホールディングス)をベイン・キャピタル率いるコンソーシアム(企業連合)に売却した。IPOの延期によって、保有するキオクシア株40%の一部を現金化する計画も棚上げになることから、東芝株は28日の取引で3%下落した。
キオクシアのIPO延期、ファーウェイ以外の真の理由
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