年収1000万円の大不幸#4
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新築マンション価格の高騰は続き、年収1000万円であっても理想のマイホームを手にすることが困難になっている。在宅勤務が増えたことで一部屋増やしたいという思いはあれど、コロナショック後も住宅相場の値崩れは起きておらず、家選びの難しさが増している。特集『年収1000万円の大不幸』(全13回)の#4では、年収1000万組のマイホーム選びの苦悩に迫る。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

暴落待ち、予算オーバー…
年収1000万円組が家選びでハマった泥沼

「本来ならば今年の東京五輪(・パラリンピック)後に暴落していたはずなんです。五輪は延期になりましたけど、コロナ禍の影響があるので、これから価格が下がるはず」

 こう力説するのは、大手商社に勤め、東京都心の賃貸マンションに住む39歳の岡崎祐一さん(仮名)だ。岡崎さんは海外駐在から帰国した5年前に家探しを始めた。職住近接は絶対条件と考えて都心で新築・中古マンションを探したものの、予想以上の価格に二の足を踏んだ。エリアや部屋の広さを妥協すれば買える物件はあったものの、海外駐在時代の優れた住環境がちらつき、決め切れない。「最高の物件に出合えるはずだ」と住宅相場の暴落を信じて待つうちに、5年が過ぎてしまった。

 腹立たしいことに、後輩が目いっぱいの住宅ローンを組み、自分も一時は購入候補にしていたタワーマンションを買った。「高値つかみだよ」と当時はばかにしていたのだが、その後もマンション相場は上昇。気付けば自分が支払った5年分の家賃と相場の上昇で、後輩とは2000万円以上の“資産格差”がついてしまった。

 岡崎さんは夜な夜な不動産情報サイトを巡る日々だ。しかし、期待しているような暴落はまだ起きない。