今春以降、外出自粛による巣ごもりによって一気に熱を帯びたのが、株などへの投資だ。年収1000万円プレーヤーたちはどのような投資スタイルで相場と向き合ってきたのか。特集『年収1000万円の大不幸』(全13回)の#7では、実態調査で浮かび上がった2つの「金」について解説する。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)
コロナ禍で相場大変動
巣ごもりで活況の株取引
「菅首相がデジタル化の推進を盛んに叫んでいたので、9月に入ってから資金の一部を、大型株から(東証)マザーズに上場しているIT系の新興株に思い切って移しました。株価は今のところ順調に上がっていますね」
声を弾ませながらそう話す田辺英雄さん(仮名、30代)は、現在約1000万円の資金を国内株式で運用している。
勤務先は誰もが知る大手商社。日々の業務に忙殺され、株の取引に充てる時間などなさそうに思えるが、「コロナの影響で出社するのは今でも週1~2回で、ほぼ在宅勤務をしている。業務は基本的に海外企業とのやりとりのため、テレビ会議などをするのは主に夜間。昼間はけっこう暇な時間が多い」のだという。
そのため、株式市場が開いている昼間に自宅でパソコンに向かう時間が増え、必然的に株の取引量も今春以降は増えているという。
実際、田辺さんのように外出自粛による巣ごもりで、投資に時間を割く人は増えている。
インターネット証券会社の2020年4~9月期の決算を見ると、活発な株の売買によって手数料収入が増えたことで、その多くが2割前後の大幅な増収を達成しているのだ。