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「カネがたまらない」――。そう嘆く年収1000万円プレーヤーは数知れない。一方、知識を駆使して、着実に資産をためていくつわものも存在する。特集『年収1000万円の大不幸』(全13回)の#5では、副業を活用した節税や「楽天経済圏」など、1000万円プレーヤーが実行しているカネをためるテクニックに迫った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽、中村正毅)

年収1000万円以上は6.4%が副業
片手間副業に監視の目を光らせる税務当局

「副業をしている目的は、実は収入アップと節税が半分半分なんです」

 こう語るのは、東京都内の大手IT企業に勤める30代の男性だ。空き時間に個人事業主のエンジニアとして、知人の会社のアプリ開発などを請け負う副業を手掛けている。

「仕事に少しでも関連するものは、経費扱いにしています。高額な買い物を経費で落とせるのは大きい」と男性。光熱費の一部や仕事に関係する書籍代の他、スマートフォンやiPadの購入代を副業の経費として計上しているそうだ。

 2019年の副業収入は86万円。その一方で経費が100万円を超えた。「副業は事業所得として認められているので、本業の収入から副業の赤字分を控除でき、税金負担を低減させている」と男性は笑みを浮かべる。

 副業を利用した節税は高年収の人たちにとって関心が高いテーマだろう。

 総務省の調査によると、副業をしている人の数は17年で267万人。年収別でその割合を見ると、300万円から900万円台だと2%台にとどまるものの、1000万円以上では6.4%にも上っている。

 直近ではANAをはじめとして、大手企業が相次いで正社員の副業を解禁していることもあり、関心を寄せるだけでなく、実際に乗り出す人は高年収の人たちを中心に今後さらに増えそうだ。

 副業による節税と聞いて多くの人が頭に思い浮かべるのが、冒頭の例のように、個人事業主として家賃や交通費などの経費を本業の所得と損益通算する手法だろう。

 その場合は、個人事業主として得た所得を「事業所得」として計上し、確定申告する必要がある。だが注意したいのは、税務当局が副業を事業として認めるハードルはかなり高いということだ。

 副業を事業所得として認めるかどうかで税務当局と争った過去の裁判例を見ても、そのことがよく分かる。