米スラック・テクノロジーズは、ネット経由で社内の協業を可能にするツールを開発した草分け的な存在だった。だが、新型コロナウイルス禍で自宅勤務が一気に普及し、他の関連株がコロナ特需に沸く中で、スラックへの追い風は吹かずじまい。その結果、格好の買収ターゲットになった。スラックの動画対応が遅れる一方で、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズやマイクロソフトは、遠隔会議の広がりで大きな恩恵を受けた。こうした中、クラウドコンピューティングに基づく顧客情報管理(CRM)サービス大手のセールスフォース・ドットコムはスラックの買収に乗り出した。これについてはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がこれまで報じている。交渉は進んだ段階にあるという。セールスフォースの株価は、自宅勤務の普及や企業のデジタル移行加速により50%余り急伸。財務力が強化され、買収に踏み切りやすくなった。
スラック、コロナ特需逃す 格好の買収標的に
動画対応で遅れ、コロナ特需の波に乗り切れず
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