欧州中央銀行(ECB)の首席エコノミストが今年、理事会後に銀行や投資家に電話をかけ、中銀の意図を説明しようとしていたことが分かった。実際に話を聞いた3人の関係筋やエコノミストの日程を確認した。中銀によるこうした取り組みは異例だ。クリスティーヌ・ラガルドECB総裁は3月、理事会後の会見で、イタリア債券市場を下支えすることはないとの考えを示唆。市場関係者の混乱を招き、イタリア株・債券は発言を受けて急落した。その数時間後、首席エコノミストのフィリップ・レーン氏はラガルド氏の意図を明確にしようと、11の銀行や投資家にそれぞれ電話をかけており、その後もこの慣例が続いた。中銀は通常、発言を慎重に管理し、市場参加者全員が同時に情報を得るよう注力している。そのため元ECB当局者からは、一部の大口投資家を優遇することになりかねないとの指摘が出ている。
ECB幹部、理事会後に銀行・投資家に電話 懸念の声も
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