首相の菅義偉が衆院解散権をいつ行使するのか。2021年の政局を決めるのはこの一点に尽きる首相の菅義偉が衆院解散権をいつ行使するのか。2021年の政局を決めるのはこの一点に尽きる Photo:JIJI

 2021年の政治の焦点は首相の菅義偉が伝家の宝刀である衆院解散権をいつ行使するかに尽きる。過去2度の解散は前首相の安倍晋三が政権戦略の一環としてタイミングや争点を自ら設定し、自民党を大勝に導いた。しかし、菅が手にしている選択肢は極めて限定的だ。最大の要因は衆院議員の任期が21年10月21日に迫っていることにある。加えて新型コロナウイルスの感染拡大という誰も経験したことがない状況下での解散判断には決め手がない。

真剣に検討され始めた
都議選と同時のダブル選

 年初の時点で視界に入ってくる解散のタイミングは三つしかない。(1)1月末の第3次補正予算成立直後、(2)7月23日から始まる東京五輪前、(3)五輪・パラリンピック終了後の事実上の任期満了選挙――。このうち1月解散説については実質的に消えた。感染拡大に歯止めが利かない状況では、解散それ自体が国民世論の強い反発を受けることは目に見えているからだ。