2019年、創価学会会長に再任(4期目)された原田稔氏。任期満了まではまだ3年を残すが、来年は傘寿(80歳)を迎える高齢だ。ポスト原田は誰なのか。20年10月に、その大本命と目されてきた大幹部に意外な人事が発令された。特集『創価学会 90年目の9大危機』(全16回)の#1では、混迷の度を深める次期学会会長レースに迫る。(ダイヤモンド編集部「創価学会特集取材班」)
創価学会“四人組”の一人が
創価学園の新たな理事長に
「創価学園の新人事がこのほど発表され、新理事長に谷川佳樹氏が就任した」――。
2020年10月8日、創価学会の機関紙「聖教新聞」が報じた“意外”な人事発表が、一部の学会員や、学会に詳しいジャーナリストたちの耳目を集めた。
1956年生まれの谷川佳樹氏は、学会の組織ピラミッドにおいて会長、理事長に次ぐポストで、わずか8人しか存在しない主任副会長の一人。また、非学会員にも知られる婦人部など、年齢や性別で分かれた3部長職のうち壮年部長の座にある。
さらには、原田会長と秋谷栄之助前会長、顧問弁護士の八尋頼雄副会長と共に、学会の実権を握っているといわれる執行部の“四人組”の一人である。そして、菅義偉首相と太いパイプを持つ佐藤浩副会長を右腕に持つことでもよく知られている。
つまり、これまでポスト原田レースの最右翼と目されてきた幹部中の幹部なのだ。19年、原田氏が4期目の会長に再任された際も、その直前まで谷川氏に会長職を譲るのではないかという観測が流れたほどである。
その谷川氏が、壮年部長と兼任で、学会を母体する学校法人、創価学園の理事長に就任するというこの新たな人事を巡り、目下、学会員たちの間には二つの見方がある。