イランに最大限の圧力をかけるドナルド・トランプ米大統領の制裁キャンペーンは任期最後の日まで続く。2015年の核合意に対するイランの違反行為の激化も同様だ。目の前の現実が変化しているにもかかわらず、ジョー・バイデン氏の政策は変わっていない。国際原子力機関(IAEA)は4日、イランがウランの濃縮度を20%に高めつつあることを確認した。この濃縮度は、核爆弾製造に必要な90%を下回っているものの、核合意で定められた3.67%の上限を大きく上回っている。イラン議会はウラン濃縮度を大幅に高めるよう求める法案を可決しており、ハッサン・ロウハニ大統領は、自らの行動は議会の決定に「縛られて」いると述べている。しかしこうした動きは、核合意当事国の欧州各国にとっての越えてはならない一線を越えるものだ。各国はトランプ氏が2018年に核合意からの離脱を決めた後も合意の効力維持に努めてきた。