日本料理の出汁の引き方やフランス料理のフォンの取り方を学び、ラーメンのスープに応用して、各店独自のスープを生み出している。また、豚骨、鰹節に頼らず、鯛やはまぐり、しじみからスープを取る塩ラーメン、醤油を何種類もブレンドして奥深くまろやかな味わいを醸し出す醤油ラーメンと、バラエティーに富み、各店が個性豊かなラーメンを競っている。『ミシュランガイド』で星付きの店が全て自家製麺であることも手伝って、この傾向にも一層拍車が掛かるに違いない。

東京・東銀座「八五」の中華そば東京・東銀座「八五」の中華そば

 東京の東銀座「八五」、亀有「ののくら」、仙川「しば田」、東日暮里「トイ・ボックス」、神田和泉町「饗くろ〓(もてなしくろき、〓は七が三つ)」、神保町「黒須」、西六郷「琥珀」の7軒は、主人が先頭に立つラーメン屋。中には家族で切り盛りする店もあり、どの店も「職業的良心」に溢れている。ラーメンの世界は、「美味しい革命」が進行中である。

 すしでは、20年に東京にオリーブオイルと塩で食べさせるすしが出現。山形・鶴岡のイタリア料理「アルケッチャーノ」の奥田政行シェフが考案し、虎ノ門ヒルズ「イル・フリージオ」と銀座「織音寿し」でいただける。20年に予定されていたオリンピックに合わせてのオープンだったが、すしのトレンドとして、21年にさらに注目を浴びるのではなかろうか。

山本益博やまもと・ますひろ/料理評論家。食を中心とした評論活動の傍ら自治体の食文化向上プロジェクトなどに参加。著書に『東京とんかつ会議』(ぴあ)などがある。

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