ジョー・バイデン米大統領が就任から数時間のうちに地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」への復帰へ向けて動き出したことは、世界の指導者たちに歓迎された。だが、温室効果ガスの排出削減へ向けた米国の目標を達成するのは、確実に困難を伴う。中国をはじめとする他国はこのところ気候変動対策の強化を約束し、企業も温室効果ガスの排出を抑えつつ世界経済を動かすために必要な技術に多額を投資している。それでも世界の排出量は増加し続けている。進捗(しんちょく)状況を追跡する団体の間では、パリ協定に署名した国の多くについて、排出量削減へ向けた自主目標を達成できる軌道にあるのか疑問視する声が上がっている。ただ、中国と欧州連合(EU)、米国が同時にこの問題に注力していることから、進展がみられるかもしれないとの、慎重ながらも楽観的な見方もある。
米のパリ協定復帰、削減目標達成は遠く
温室効果ガスの排出削減に苦労する主要国
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