デロイトトーマツコンサルティング(DTC)の社長を長く務めた近藤聡氏が、EYジャパンに入社したのは2019年1月のことだ。DTCを四大トップに押し上げた“大物”の電撃移籍から2年。近藤氏は「プロジェクト・ドラゴン」なる秘策を掲げ、業界で劣位にあるEYのコンサルを昇り竜のごとく急成長させようとしている。特集『コンサル新序列』の#6は、移籍の真相や「ドラゴン」の全貌についてメディアに初めて明かした、近藤氏のインタビュー全文をお届けする。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
「一番大変そう」なEYを転職先に選んだ
近藤氏の逆襲「プロジェクト・ドラゴン」始動!
――近藤さんは2019年1月にデロイトトーマツからEYジャパンに移られましたが、なぜ約30年勤めたトーマツを辞めたのですか。
辞める直前、私はデロイトトーマツコンサルティング(DTC)の社長、デロイトトーマツグループのDeputy CEO(最高経営責任者代行)、そして新たにつくったシェアードサービス会社の社長という三つのロール(役割)がありました。
新しいCEOを選ぶとき、私はやりたくなかったんですけれど、永田(高士・現デロイトトーマツグループCEO)さんと私が候補者リストに載った。最終的に永田さんがCEOに選ばれた後、デロイト側から「全てのロールを降りてくれ」と言われたんです。