M&A交渉の助言を行う財務アドバイザー(FA)は、交渉技術や財務、法律などあらゆる専門的な知識を駆使して大型ディールを追う「ハンター」だ。FAの主役はこれまで、証券会社や外資系投資銀行だったが、四大会計事務所がこの業界でも存在感を増しつつある。特集『コンサル新序列』(全8回)の#4では、そんなハンターたちの姿を追った。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
M&Aを追う「ハンター」の狩り場にビッグ4参戦
デロイトがリーグテーブルで最高位の3位に
「十数年かけてようやくトップリーグで戦えるところまできた。今後もトップ5に居続けたい」
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)執行役で、M&A(企業の合併・買収)交渉の助言を行う財務アドバイザー(FA)を率いる鹿山真吾氏は、そう感慨深げに話す。
鹿山氏が言う「リーグ」とは、M&A引き受け実績のランキング表であるリーグテーブルのことだ。デロイトは2020年、取扱額で史上最高位の3位にランクイン(日本関連、リフィニティブ調べ)。野村證券、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー――。証券会社や外資系投資銀行による上位独占が常識の業界で、会計事務所グループとして初めてトップ3に食い込んだ(次ページランキング参照)。
その勝因は何か。