音声ビジネス#5Photo:rustemgurler/gettyimages

ここ数年でハードルが低くなり、誰もが簡単に音声を配信できる世界になりつつある。そこで、特集『急拡大!音声ビジネス』(全5回)の最終回では、一足先に音声のインフルエンサーになった個人・法人それぞれの配信者に、番組作りのこつを聞いた。また、現在実現しているマネタイズの手法も探る。(ダイヤモンド編集部 塙 花梨)

音声市場はブルーオーシャン
Clubhouseもマネタイズを試験中

 Clubhouseが流行し音声市場が盛り上がっているといっても、日本では動画でいうYouTuberのように、音声で稼ぎまくる配信者はかなり少ない。国内では動画市場や他のSNSとは異なり、確立された収益手法がないからだ。

 ところが、先行する海外では、まったく事情が異なる。本特集#1『クラブハウス襲来の衝撃!日本の音声ビジネスの未来を徹底解説、国内勢に勝算は?』で紹介したように、月に1億円稼ぐ配信者も登場している。

 こうした海外の「音声でのもうけの仕組み」は今後、日本に怒濤のように流入してくるだろう。しかも、本特集#3『クラブハウスつぶしの号砲!音声ビジネス覇権争いにGAFA、ネットフリックスら続々参戦』で伝えたように、YouTubeは音声広告と検索を大強化し始めている。

 加えて、Clubhouseは、まだマネタイズの方法は実装されていないが、1月末に実施された資金調達で、「チップ(投げ銭)」「チケット(チケット販売)」「サブスクリプション(定期支払い)」の三つの収益化方法のテストを開始する予定だと発表している。

 つまり、高い確率で音声市場と収益の仕組みは拡充されていくのだが、裏を返せば、まだ有力配信者のいない現在は「ブルーオーシャン」なのである。全員ではないが、成功しているYouTuberの多くは早くから参入して人気を獲得、それを維持している。音声は、今がその時期といえよう。

 しかも、重要なのは動画に比べて初期コストが圧倒的に低いこと。まずはスマートフォン1台で簡単に開始できるし、仮に音質にこだわるとしても、性能の良いマイクが1万円もあれば購入できる。

 ここからは、どのジャンルを狙えばいいのか、どうすれば人気番組になれるのかという音声で稼ぐための極意を、人気番組を運営する複数のインフルエンサーの指南を基に解説していく。もちろん、どのプラットフォームを選べばいいのかなど「始め方」も易しく解説する。