――世界的にも少ない患者数で「医療崩壊」しているのに、ですか。

西村 逆に言えば、日本の問題は医療だけですよね。台湾など上を見ればキリがない。僕のいる宮城県仙台市のような100万人都市で1日の新規陽性者5人、こんなの世界でそうそうありませんよ。ファクターXという言葉が話題になりましたけど、それは日本国民でしょう。

 メディアが医療崩壊の現場とか患者の手記ばかり流して、おおむね感染を抑えられていることを全然報道せずに国民を脅し続けるせいで、みんなが自虐的になるんです。PCR検査数が少ないとも散々批判されましたけど、検査を多くやっている国は現在どうなっているかを見れば、ターゲットを絞った日本のPCR検査戦略も結果的には間違っていなかったのは明白です。

 今はもう医療崩壊を何とか阻止する、その一点だけ。社会全体としての感染者は十分抑えられています。

瀬名 医療現場の方の頑張りで何とか持ちこたえている状況が続いていますね。

西村 コロナ対応をする病院をサポートするために、システムを根本的に変えていかないと、今の状況はずるずる続いてしまうでしょうね。

 重症者向けのベッドを、すでに治療が必要ない患者が長期間占めている、治療後の療養のために転院先を探しても、医学的にはもう感染性はないにもかかわらず、受け入れを拒否する病院があるなど、病床の逼迫は医療側の問題でもあるのです。

 でも、救いは開業の先生が少しずつ動きだしてくれていることですね。自宅療養の患者の訪問診療を担ってくれて入院しなくて済む患者が増えれば、病院への負荷を軽減することができます。

 テレビなどを見ると、毎回医師会長などが深刻な顔をして自粛を求める映像が流れますけど、一般国民に「生活を制限しろ」と言うのではなくて、まずはお願いベースで助けを請い、あとは医療側の中でコロナ対応の病院をサポートすべきだと言いたい。

 コロナは怖い病気だけど、感染対策の肝は分かってきているわけだから。医療側の人間それぞれがベストを尽くす体制をつくっていけば、パンデミックに打ち勝つ「日本モデル」の誕生ですよ。