免疫力の嘘#2
写真提供:峰宗太郎医師

すでに世界で1億人以上が接種したコロナワクチン。欧米だけでなく、中国やインドなどのアジア諸国も一般への接種が順次進められている中、日本では、2月に入りやっと承認の運びとなった。特集『免疫力の嘘』(全13回)の#2では、欧米と比較して感染者数、死者数共に少ない日本で、コロナワクチンはどの程度“ゲームチェンジャー”となり得るかを検証する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

日本人にとってコロナにかかることは他人事
死屍累々の欧米とは切迫度が違う

「ワクチンを受けたいですか?」そう聞かれて積極的に受けたいとすぐに答えられる人はそう多くはないだろう。

 しかし、なんらかの病気のときは症状のつらさが「点滴で和らぎますよ」と言われたら、ちゅうちょなく首を縦に振る人の割合は、ワクチンを接種したいという人よりも多いのではないだろうか。

 このように、われわれは無意識に利益(ベネフィット)とリスクを比較して、何かを決断するときの材料にしている。日本でも人々の生活は、新型コロナウイルス(以下コロナ)一色ではあるが、特に欧米諸国と比較して、感染者数、死者数共に少なく、ほとんどの人にとってコロナに“感染する”ことは人ごと。ましてや重症化して死に瀕するなど、テレビの向こうの話だ。若くて健康なら、ワクチン接種でコロナにかからないという「ベネフィット」よりも、注射で痛い思いをする、副反応(ワクチン接種と因果関係がある有害な症状)が怖いなどの「リスク」に目が向くのも無理はない。

 感染者数も死者数も日本と桁違いに多い欧米では「コロナは致命的で危険なウイルスだという認識がはるかに強い」(米国立研究機関博士研究員の峰宗太郎医師)。

 ありていに言えば、日本人にとってコロナが命を脅かすリスクはそれほどではなく、コロナへの感染対策によって経済や生活を脅かされるリスクの方がより切迫度が高いのである。

 果たして新型コロナに対するワクチン(以下コロナワクチン)には、そのリスクをしのぐベネフィットがあるのだろうか。

 そもそもワクチンとは何か、コロナワクチンは従来のワクチンと何が違うのか、副反応はどれくらい起こっているのかをきちんと理解しなければ、その先にはさらなる危機が待っている。というのも、日本人の「ワクチンは怖い」という主張を、世界が許してくれない事情が見えてきたからだ。