免疫力の嘘#4

新型コロナウイルスの正しい情報を得るのは難しい。パンデミック当初はWHO(世界保健機関)やCDC(米疾病対策センター)など、世界の感染症対策をリードする組織さえもが未知のウイルスを前に右往左往。コロナを機に、それまで信じてきた権威や専門家への信頼が揺らぎ始めた。肩書、そして氾濫する情報に惑わされず、真実を見抜くための知恵とは。特集『免疫力の嘘』(全13回)の#4では、ウイルスの権威・西村秀一医師と作家・瀬名秀明氏の対談の2回目をお届けする。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

船の設計図で気付いた空気感染
当時は“専門家”に鼻で笑われた

瀬名 西村(秀一)先生はダイヤモンド・プリンセス号に応援に行かれているんですよね。そのときのことを、当時メールで「エアロゾル(空中を浮遊する粒子)、空気感染の可能性が高い」と送ってくださった。

 あの頃、新型コロナウイルス(以下、コロナ)は接触感染が主だといわれていました。そのことを父(ウイルス学者の鈴木康夫氏)に伝えると、「西村先生が実際に現場へ行ってそういっているのなら信ぴょう性が高いね」と父からメールが返ってきたのを覚えています。