半導体争奪戦#2
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世界的な半導体業界の大型M&A(合併・買収)が止まらない。2020年の買収額の世界累計額は12兆円を超えて過去最高だ。車載半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスも累計のM&A金額は1.6兆円にのぼる。特集『勃発!半導体争奪戦』の#2では、熾烈な半導体M&A合戦の行方を追う。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

巨大M&Aの波に乗り遅れるな
ルネサス3度目の巨額買収

「10社程度の買収候補は常にある。ダイアログもその一つで何年も前から取り組んできた」

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスの柴田英利社長兼最高経営責任者(CEO)は2月8日、英ダイアログ・セミコンダクター買収を発表したオンライン会見で、世界的な半導体業界のM&A(合併・買収)の競争激化に対峙する厳しい姿勢を垣間見せた。

 ダイアログの買収額は6100億円。ルネサスにとっては3社目の巨額買収だ。2017年に米インターシル(現ルネサスエレクトロニクス・アメリカ)を約3200億円で、19年には米IDT(同)を約7000億円で買収したのに続き、3社の買収総額は1.6兆円を超える。

 追い立てられるように巨額買収を繰り返す背景には、世界の半導体業界においての有望な半導体メーカーの争奪戦がある。

 半導体の需要は、人工知能(AI)、5G(第5世代移動通信規格)、IoT(モノのインターネット)、データセンターなど、あらゆるデジタル分野で拡大が見込まれる。

 さらには、コロナ禍を受けたリモートワーク社会の進展で、半導体需要の拡大は加速している。その需要を取り込むために、半導体業界のM&Aの流れは止まらない。

 ここで乗り遅れれば、たちまち買収のターゲットになるとの焦りも業界には根強い。食うか食われるかの熾烈なM&A合戦が、一段と激化している。