最強のテンバガー#14
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全上場企業の過去10年の成長企業ランキング(本特集#1参照)で7位に入ったのが、連結会計システムを手掛けるディーバの持ち株会社であるアバント。特集『最強のテンバガー』(全18回)の#14では、一段の成長に向けて進める事業モデル転換の現在地や、本格的な海外進出を見据えた成長戦略などについて、森川徹治社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

導入1100社突破の「ディーバ」
堅実成長で株価は4年で8倍に

 会計業務に関係するビジネスパーソンなら、「ディーバ」という名前を耳にしたことがあるかもしれない。この連結会計システムは国内で圧倒的なシェアを誇り、上場する大企業を中心に昨年11月、累計導入数は1100社を突破した。同システムを開発・販売するディーバの持ち株会社がアバントだ。世間的には目立たない存在ながらも堅実に成長を続け、株価は直近高値を付けた2月上旬、4年前と比べ約8倍の水準まで上昇した。

 同社は1997年設立。現社長の森川徹治氏がディーバを創業後、2007年に旧大阪証券取引所(現東証JASDAQ)に上場した。その後、事業領域を広げながら、13年以降はアバントへの商号変更とともに持ち株会社制に移行し、18年3月から東証1部銘柄に指定されている。

 現在は主力の連結会計関連事業はディーバ、システムインテグレーションを手掛けるビジネス・インテリジェンス事業はジール、決算業務処理などを行うアウトソーシング事業はフィエルテという子会社が、各事業を担う形となっており、いずれも利益は拡大傾向にある(下図参照)。

 いちよし経済研究所の伊藤研一アナリストは「年商150億円ほどの規模の会社で持ち株会社制を採用している例は珍しい」と指摘。「これだけ複数の異なる事業領域で各事業が成長しているのは、子会社ごとにトップを立てて責任の所在を明確にし、ビジネスを展開してきたからではないか」と話す。

 順調に成長を遂げているように映る同社だが、主力のディーバについては既に高シェアである分、市場では今後の成長性の頭打ちを指摘する声もある。そこでアバントは、23年6月期までの5カ年の中期経営計画において事業モデルの転換を図っている。

 次ページでは、そもそもなぜ祖業のディーバが国内で絶対的地位を獲得するに至ったのかを分析。さらに、現行の中計で要となる「ストック売上比率70%」(23年6月期目標、20年12月末時点で36%)という野心的な目標の達成への方策、先に見据える海外進出「十年の計」実現に向けた成長戦略を前後半5年ずつの展開に分ける形で、森川社長に考えを聞いた。