最強のテンバガー#15
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テンバガー企業の上位陣にテック企業が並ぶ中、“意外”な存在感を発揮しているのが小売業だ。「業務スーパー」を運営する神戸物産やワークマンなど、チェーン展開に成功すれば小売企業は一気に大化けする可能性を秘めている。特集『最強のテンバガー』(全18回)の#15では、躍進する小売業の意外な共通点を探った。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)

東証1部とタピオカで急騰
神戸物産がテンバガーになった訳

 米国では「GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)」と称される巨大IT企業が時価総額の最上位に君臨するように、テンバガー企業の顔触れを見ていくと時流に乗ったテック企業が軒を連ねる。そうした中、大化け企業の“出身業界”として存在感を発揮しているのが小売業だ。

 小売りの場合、消費動向や景気、さらには天災や気候に良くも悪くも業績は左右される。例えば新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、都心部中心の百貨店の株価は急落した。その一方で巣ごもり需要が高まり、食品スーパーの株価は上昇した。

 こうした環境の変化にも負けない小売業になれば、テンバガーへと化ける素質を秘めている。

 次ページに掲げる株価騰落率ランキングで2位となった神戸物産は、全国で900店舗を展開する食品スーパー「業務スーパー」を運営する企業だ。

 2020年10月期の売上高は3408億円で、この10年で2倍以上に成長した。そして株価はそれ以上に伸びた。12年ごろには60円前後(株式分割調整後の数値)をうろうろしていた株価が、20年12月には3710円の上場来最高値を付けるほどの高騰を見せたのだ。

 かつて業務スーパーの株価が低迷していたのは、「中国産の商品を売っている業務用食品スーパー」のイメージが強かったためだ。神戸物産の急成長の理由については、ダイヤモンド・オンラインの特集記事『業務スーパー、地方の小店舗が「20年で全国900店」の急成長を描けた秘密』で詳細を解説しているが、株価が上昇したタイミングは2回ある。