険しくとも周りとは違う道を進む。そんな若きリーダーたちの挑戦心は、どんな原体験に支えられているのか。今回は、民間企業の社員に対し、新興国で社会課題の解決に取り組む体験プログラム「留職」を提案・提供するNPO法人クロスフィールズの代表理事、小沼大地さん。20代で創業するまでに歩んできた道は独自性に富んだものでした。(聞き手/ダイヤモンド編集部論説委員・深澤 献)
小1の国語授業で覚えた
自分なりの目立ち方
――どんな家庭で育ちましたか。
父はサラリーマンで母は専業主婦、二つ下に妹がいる一般的な家庭です。生まれたのは埼玉の小手指ですが、父が仕事で横浜市南部に通っていたこともあり、小学4年生で横浜に引っ越しました。
――埼玉時代で印象に残っていることはありますか。
小学校1年生の国語の授業です。ある動物が、寒そうにしている別の動物に服を貸してあげたという物語を読んで、貸してあげた側は迷惑に感じていると思うか、文中から読み解くという質問が投げ掛けられました。
僕は、相手を助けられてうれしいと感じているから「迷惑ではない」派で、みんなの意見も最初は半々くらいだったのが、議論していくうちにだんだんと「迷惑」に偏って、「迷惑ではない」派が僕一人になっちゃったんです。
僕は孤立して涙を流す寸前だったところ、先生が「小沼君に拍手!」と救ってくれました。
たぶん、模範解答は「迷惑」だったのだと思うのですが、粘る僕を先生が面白がってくれたことで、人と違っていること、思っていることを率直に言うという目立ち方、認められ方を覚えました。