地方での農協のパワーはなお強く、大っぴらに批判はしにくいものだ。特集『JA陥落 農業沸騰』(全21回)の#14では、農家1763人から回答を得たアンケートで明らかになった農家の「地元JAへの不満と本音」を一挙公開する。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
農協改革は名ばかり、業を煮やした農家が
農協に「農業専業コンサル化」を要求
ダイヤモンド編集部は「担い手農家アンケート」で地元の農協への意見や改善すべき点などを聞いた。
今年の特徴は、いつまでたっても農業に力を入れない農協に業を煮やし、「解体=金融事業と農業関連事業を分離」して、農業専業組織として出直すことを求める声が5件と昨年の2.5倍に増えたことだ。
農協は以下のような農家の切実な声に耳を傾けるべきだろう。
「(農業関連事業だけではなく金融事業まで手掛ける)総合農協の必要性はなく、早期に解体し経営コンサルを中心とした専門農協化を行う方がよい。農業協同組合という自覚がなく、職員育成を行うそぶりもない。将来的にも期待値はゼロに近い」(広島県JA尾道市管内の農家)
「金貸し企業になり果てて、『農業協同組合』が名ばかりになり、「準公務員」のような扱いに満足している。やはり解体すべきだ」(千葉県JAいすみ管内の農家)
その他、千葉県や京都府では、特定の人物が長期間、組織のトップに居座ることに疑問の声が上がった。
それでは、面と向かっては言えない農協への本音を見ていこう。