JA陥落 農業沸騰#19Photo by Hirobumi Senbongi,da-kuk/gettyimages

コロナ禍で苦境にある外食向け食品卸業界は、廃業続出が必至の壊滅的な状況にある。特集『JA陥落 農業沸騰』(全21回)の#19では、ピンチをチャンスに変えるため、新規顧客の開拓とビジネスモデルの転換に打って出た外食向け卸の「老舗ベンチャー」に、逆張りで挑むユニークな戦略を語ってもらった。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

コロナ後の爆発需要をにらみ顧客奪取
競合に「成功モデル」を売る新事業も開始

 外食は、新型コロナウイルスの感染拡大で最も大きな影響を受けている業界の一つだ。

 当然、外食向け青果卸業界も危機的状況にある。同業界最大手のデリカフーズホールディングスは2020年4~12月期の売上高が前年同期比で24%減り、営業赤字に沈んだ。

 最大手ですら緊急事態なのだから、同業者の中には廃業が避けられないくらいに追い込まれている企業もある。そうした中で、あえて攻めの経営をしている外食向け中堅卸、ベジクルの逆張り戦略を紹介しよう。