Photo:da-kuk/gettyimages,写真提供:Oishii Farm

世界で初めて植物工場でイチゴの生産・販売に成功し、トヨタ自動車やソニーが出資するファンドから55億円を調達した日本人がいる。米国在住の古賀大貴氏だ。特集『JA陥落 農業沸騰』(全21回)の最終回では、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなどから500億円超の出資を集めた競合も追い付けない古賀氏の生産技術の秘密に迫る。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

「第2のWeWork」が懸念される
ソフトバンク出資の野菜工場に先行

 米国では近年、植物工場バブルが起きていた。その代表が、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)などから500億円超を調達したプレンティなのだが、実は同社――、「第2のWeWorkになるか」などとささやかれる事態になっている。

 当初、米国やサウジアラビアなど世界500カ所に植物工場を展開するなどと大風呂敷を広げたが、それが実現できていない(現状は米国内のごく少数の工場だけとみられる)。米国内で販売されている同社のレタスの価格から想定される原価は、日系の植物工場の原価の1.5~2倍と見られ、価格競争力があるかどうかも疑わしい。

 プレンティに停滞感が漂っているのに対し、世界で初めて植物工場でイチゴの量産に成功したOishii Farmは今年、事業を急拡大させる。年内に世界最大のイチゴ工場を稼働させるのだ。同社の古賀大貴CEO(最高経営責任者)に同社の強みや今後の事業展開を聞いた。