ダイバーシティー重視の波は、農業にも押し寄せている。特集『JA陥落 農業沸騰』(全21回)の#20では、「障害のある自分の子供がいきいきと働ける環境をつくりたい」と一念発起し自然栽培に挑戦している元ミュージシャンに、高収益経営を実現した「農業革命」のプランについて聞いた。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
農福連携で、障害者に給料払える
1俵3万6000円の「自然農法」
「障害者の仕事をつくろうと試行錯誤していたら、儲かる農業ができていた。日本の農業を変えられるんじゃないかと思った」
そう話すのは愛媛県にある福祉事業所、パーソナルアシスタント青空の佐伯康人代表だ。生まれたときから障害のある三つ子(長男、次男、長女)が働ける場所をつくりたいと、さまざまな仕事にチャレンジして失敗し、行き着いたのが、農薬も肥料も使わない自然栽培だった。
いまや自然栽培の農業で、10アール当たり60万円の高収益モデルを確立している。農業と福祉を連携させた成功モデルを全国展開しようとしている「社会的起業家」の野望に迫った。