JA陥落 農業沸騰#18Photo:koukouu/gettyimages,da-kuk/gettyimages

ダイヤモンド編集部では農家に農家自身の問題点を尋ねるという、独自調査を行った。最も問題視されたのが、行政と農協に依存するコメ農家の放漫経営ぶりだ。米価低迷に苦しむ農家が、補助金頼みで野菜を大増産することに対して、野菜農家からは悲鳴が上がっている。特集『JA陥落 農業沸騰』(全21回)の#18では、コメ農家に向けられる冷たい視線の原因を分析し、農業再生の処方箋を提示する。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

コメ農家の“特権意識”に我慢の限界
「コメ農家につぶされる」と悲痛な声も

 予想通りとはいえ、数字で突き付けられると衝撃である――。ダイヤモンド編集部の独自調査で、農家自身に「一番改めるべきことが多い農家」を聞いたところ、64.7%もの農家が「コメ農家」をやり玉に挙げたのだ。

 実は、コメ農家とその他の農家は従来、経営マインドの格差などから長らく冷戦状態にあった。だが近年、コメ農家の「補助金依存」や「放漫経営ぶり」に、野菜農家などが我慢の限界に達しているようなのだ。コメ農家vsコメ以外を栽培する農家――。農業界を「分断」するコメ利権の深層に迫る。