ミャンマー軍による権力掌握は、政治的・外交的な影響だけでなく経済的な影響も及ぼす。欧米ではめったにないことだが、世界の多くの地域では経済の非軍事分野に軍が大きく関わることは珍しくない。ミャンマーで最近起きた出来事は、軍がビジネス上の利権を持つ国と関わる外国企業が厄介な状況に陥る構図を示すとともに、いかに軍が成長の足かせとなり得るかを明らかにしている。外部から見れば、軍の経済への関与は明らかに悪いことに見えるかもしれない。司令官たちはビジネスパーソンではなく、権力を行使して潜在的な競争相手を脅したり、経済的な超過利潤(レント)を得たりすることも考えられる。だがこのような見方はあらゆるケースで正しいわけではない。韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の軍事独裁政権下では、実際のビジネスのほとんどが民間企業によって行われる場合でも、権威主義的な中央政府が開発を促進した。ベトナム戦争中の物資特需は、現代グループのような財閥の成長を加速するのに一役買った。
ミャンマー軍事クーデター、いかに経済をえぐるか
軍がビジネス上の利権を持つ国と関わる外国企業にとって厄介な状況に
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