暗号資産(仮想通貨)の採掘業者はグラフィックスカードやコンピューターチップを熱烈に欲しているが、半導体メーカーはその愛に応えていないようだ。仮想通貨ビットコインとイーサはこの1年で10倍以上に値上がりした。それは、仮想通貨の採掘を支えている半導体メーカーの売り上げを大きく押し上げる可能性がある。だが、半導体は世界的に不足しており、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)など半導体ファウンドリー(受託生産)大手は、他の注文に応えるのに手一杯だ。その上、仮想通貨業界の需要は移り気であることが分かったため、生産能力の拡大には腰が引けている。バーンスタインの推計によると、TSMCの21年の売上高に占める仮想通貨向け製品はわずか約1%にとどまる見通しだ。前回の仮想通貨ブームのさなかにあった18年1-6月期には、その比率が約10%に達していた。