コロナ禍による新聞広告減などで2020年度上半期に419億円もの純損失を計上し、さらなるリストラも進める「朝日新聞」。編集、営業、労務などの現場では何が起きているのか。特集『1億総リストラ』(全14回)の#12では、現役社員と元社員が緊急覆面座談会でホンネと内情を赤裸々に明かした。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
今春人事、45歳以上で
露骨な左遷が散見?
――希望退職者募集が3月22日に締め切られたところです。
ビジネス部門(販売、広告、企画事業、デジタル事業など)中堅のAさん 販売部数の減少やデジタルへ移行する流れは仕方ない。でも部数減に対して指をくわえて見てきた経営陣が、仕方ないからと社員の危機感だけあおってリストラ、賃下げをするのは腹立たしい。
記者部門若手のBさん 希望退職の常ではありますが、優秀な記者からいなくなり、言っちゃ失礼だがどうでもいい記者が残ることを懸念します。ただ、メディア業界はどこも厳しいから、社外に出て食っていけるんだろうか。
記者部門若手のCさん 経営状況からすれば、リストラをやらなければいけないことは理解できる。バブル入社組がダブつき、明らかに年齢構成が歪でもありますし。今春の人事は45歳以上の社員で露骨な左遷ではないかという異動が散見され「嫌なら希望退職者募集に応じて、辞めてもらっていいんだよ」的な、会社の意図を感じます。
記者部門若手のDさん 人減らしばかりで暗い。こういう事態になったのは、誰のせいなのかを自覚してほしい。
記者からビジネス部門への異動
「恐怖でしかない」
――2年ほど前から毎年数十人ずつ、記者部門の社員をビジネス部門に異動させていると聞きました。