創価学会 90年目の9大危機#12Photo:seraficus/gettyimages, Santiago Urquijo/gettyimages

聖教新聞や公明新聞の印刷を委託することで発生する多額の印刷代は、部数減少に悩む新聞社にとって、経営面で救世主となっていることは事実だろう。特集『創価学会 90年目の9大危機』(全16回)の#12では、公明新聞の印刷代をはじき出し、全国紙、地方紙をランキングして傾向を分析してみた。(ダイヤモンド編集部「創価学会特集取材班」)

一般紙発行の新聞社が切りたくても切れない
「聖教新聞」と「公明新聞」のうまみ

 今年2月、東京・信濃町の「創価学会 世界聖教会館」に、学会の機関紙「聖教新聞」の印刷に携わる各地の会社の代表が続々と集った。

 全国印刷局長・印刷部長会で、創価学会の原田稔会長は、印刷委託先の各社に向けて謝辞を述べた。そこで新聞発行の使命の大きさを強調し、「共に栄えゆく歴史を築いていきたいと語った」という(2月19日付聖教新聞)。

 1951年創刊の聖教新聞は、草創期から全国紙、地方紙の新聞社(系列の印刷会社)に印刷を委託してきた。その新聞社(印刷会社)のホームページを見ると、「○○(自社)新聞をはじめ、△△(他社)新聞、聖教新聞、公明新聞などの日刊紙を毎日印刷」といった文言が出てくる。

 例えば、毎日新聞社系列の東日印刷(東京都江東区)は、55年4月に聖教新聞、62年4月に「公明新聞」の印刷を受注。また同じ系列の東日オフセット(青森市)は、75年12月に両新聞の印刷と輸送業務を受注している。

 学会が支持団体である公明党の機関紙、公明新聞は62年の創刊。こちらも草創期から印刷を委託していたことになる。さらに調べていくと、聖教新聞と公明新聞の両方の印刷を受託している新聞社は西日本新聞社、中国新聞社、北海道新聞社、静岡新聞社、新潟日報社、岩手日日新聞社など枚挙にいとまがない。

 聖教新聞と公明新聞、そして印刷を受託している一般紙の新聞社は、お互いに長い歴史の中で基幹事業を支え合ってきた。もはや切っても切れない縁なのだ。