1行日記は、たった1行書くだけでいい。最初から長く書くと続かなくなるので、ちょっと物足りないくらいにしよう。手帳やノート、アプリやウェブ上のカレンダーなど、手書きでもPCやスマホに入力してもかまわない。大事なのは、言葉にするプロセスを通じて、自分にとって必要な体験を取捨選択して抽象化することである。あまりたくさんルールをつくらず、一番自分が続けやすい形を見つけよう。

 慌ただしい日々の中で、気になったことや新しく学んだこと、失敗したことや自分がなりたいと思ったイメージなどを書き留めていこう。この1行を書くことが、振り返りの最初のステップになる。

「やったこと」を書いたら、次に「振り返り」を行う。書き留めた「やったこと」を「自分にとってどんな意味がある?」という問いを持って読み返すのだ。もし、友人の話を聞いてうらやましいと思ったら「なぜ、うらやましいと思ったんだろう?友人のその話は、自分にとってどんな意味があるんだろう?」と思考を巡らせる。

「自分にとって」という問いを持つことにより、ただ目の前を過ぎていくはずの事象をすべて自分事として考えることができるようになる。そうすれば、多くのことを学び、気づきを得られて、自分がやりたいこと、やるべきことがわかる。その結果、自分がとるべきアクションを考えることができる。

 書くという作業を通して、自分に起こったことを客観視し、それが自分にとってどんな意味を持つのかを問う。そしてそれを自分軸で解釈することにより、自分にとって必要な教訓ができていく。

◇1行日記の書き方

 1行日記の記入と振り返りは、「やったこと」を書き、「自分にとっての意味は何か」を考え、「そうか!」という気づきを経て、「やってみよう」とアクションにつなげるという順で進める。

 まず「やったこと」の記入だ。ここでは、起こった出来事や自分の心の動きをシンプルに書く。どんな内容を書いても構わない。時間が経って読み返した時に記憶がよみがえるように、その情景や自分の感情が思い出せるようなキーワードを入れておくことがポイントだ。この「やったこと」は、振り返って気づきを得るためのネタになる。