米実業家イーロン・マスク氏の衛星インターネット事業を巡り、同氏は宇宙の安全や環境を脅かすような独占的な地位を築こうとしているとの声が競合他社や規制当局、専門家らの間で広がっている。マスク氏の宇宙開発ベンチャー、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)の衛星インターネット事業「スターリンク」は、世界の隅々まで超高速インターネットを提供するとの目的で、約1万2000基の衛星打ち上げが許可されている。追加で3万基の許可も求めている。一方、競合企業の米ビアサット、英ワンウェブ・グローバル、米ヒューズ・ネットワーク・システムズ、米ボーイングなどは欧米の規制当局に対し、スターリンクへの対応を求めている。一部の企業は、マスク氏の衛星が自社機器の信号を妨害し、物理的な危険ももたらしているとの苦情を訴える。