フィリス・レイボウィッツさん(48)は近頃、ニューヨーク市の地下鉄に乗る際にはヴィンテージものの毛皮と金のスパンコールを施したバッグの代わりに、ダウンジャケットとウエストポーチを身につけるようになった。ファッションスタイリストで写真家のレイボウィッツさんは、「私はタフな女よ」と言う。「でも人目を引きたくはない」ニューヨーク州都市交通局(MTA)が最近実施した調査によると、犯罪やハラスメントを恐れて電車の利用をためらう乗客が増えている。米国の他地域の交通局関係者も、バスや電車に居着くホームレスの増加を受け、ハラスメントなど生活の質を巡る懸念が高まっていると認識している。レイボウィッツさんは以前、昼でも夜でも地下鉄に乗ることを何とも思わなかった。だが12月のある夜、マンハッタンのプリンス・ストリート駅で電車に飛び乗ると、夜8時だというのに車内には自分一人しかいなかった。
NYで地下鉄離れ、犯罪におびえる市民
乗客100万人あたりの重・軽犯罪の発生件数がコロナ禍以前を上回る
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