日本の菅義偉首相のワシントン訪問は、大きな成功として日米両国で称賛された。米側当局者は、米国が掲げるアジア戦略の主要な主張に菅氏が歩み寄ったことを歓迎した。例えば菅首相は共同記者会見で、日米両国が「東シナ海や南シナ海における力による現状変更の試み、地域の他者に対する威圧に反対する」ことで一致したと語った。菅氏が台湾海峡と新疆ウイグル自治区の状況に言及したことは、米国の強硬路線に対し、日本がより明確な支持を示すようになったとの印象を強めた。日本側にとっても、歓迎すべき内容が多くあった。ジョー・バイデン大統領は、大統領執務室で会談する最初の外国首脳に菅氏を選んだ。これがバイデン政権の対日関係を最重視する姿勢を示すシグナルであることは間違いない。さらに良かったのは、米国側当局者が菅首相に対し、日本国内で受けが悪かったり、難しい日中関係を一気に険悪化させたりしかねない約束リストを突き付けなかったことだ。