「東京五輪・パラリンピックが失敗すれば、菅内閣も終わりだろう」。こう述べるのは、稀代のジャーナリスト・田原総一朗氏。三度目の緊急事態宣言が発令された中、東京五輪・パラリンピックはどうなるのか?国民にワクチンを行き渡らせるためにはどうすべきか?そして菅政権の行方は?田原氏に見解を存分に語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド社編集委員 長谷川幸光)
緊急事態宣言が再発令!
東京五輪・パラリンピックはどうなる!?
――政府は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に緊急事態宣言を発令しました。緊急事態宣言は今回で3回目。期間は4月25日から5月11日までの17日間です。
菅政権の新型コロナウイルス対策は、「後手後手でうまくいっていない」というのが国民の気持ちだ。菅首相は2度目の緊急事態宣言時に「これで勝負する」と言い切った。なのにうまくいかなかった。政府も医療関係者も、どうすればいいのか悩みに悩んでいる状況だ。
――聖火ランナーも始まっていますが、東京五輪・パラリンピックはどうなるのでしょうか?
自民党の幹部たちに「このような時になぜやるんだ」と聞いた。すると、(五輪開催の)決定権はIOC(国際オリンピック委員会)にあると。日本はあくまでホスト国。やるかやらないかを決めるのはIOCであり、IOCはやりたがっていると。彼らはこう言っていた。
五輪のために日本にやってくる関係者は、選手やスポンサー含め4万〜7万人といわれている。彼らや日本に住む人々の安全保障をどうすべきか、これが問題だ。
特に大きな問題が、一般人のためのワクチンの確保が遅れていること。このままだと国内にワクチンが行き渡るのは早くても秋ではないか。しかもワクチンの効果がわからない変異株も増えている。変異株については、「本当に驚異だ」という人と、「マスメディアが危機感をあおりすぎているだけだ」という人、医療関係者の中だけでも意見が分かれているが、いずれにせよ、油断はできない。