コロナ禍の前に行われた20年卒の採用。果たして主要企業はどの大学から学生を採用したのだろうか。総合商社、コンサル、金融、メーカー、流通、運輸、情報通信など主要12業種の58の企業別2020年採用大学ランキングを作成した。第12弾は武田薬品工業、アステラス製薬、中外製薬の主要製薬会社の採用大学ランキングをお届けする。
65歳以上の人口が全人口の21%を超える超高齢社会に突入している日本では、社会保障費が右肩上がりで増え続けている。その約3割を占める医療費抑制のため、政府は従来2年に1度だった薬価引き下げを2021年度から毎年行うこととした。国内市場の縮小は避けられず、製薬会社にとっては経営を圧迫する要因となる。
そこで大手製薬会社は、まだ成長余地のある海外市場の開拓を進めるため、海外の製薬会社の買収に乗り出している。2019年には武田薬品工業がアイルランドの製薬大手シャイアーを約6兆円で買収した。
一方で事業の再構築も迫られている。超大型買収を実行した武田薬品は21年3月、ビタミン剤「アリナミン」などを販売する大衆薬事業子会社を米投資ファンドに売却した。新型コロナウイルスのワクチン開発では海外勢に後れを取っており、日本の製薬会社はさまざまな課題に直面している。
そんな製薬会社はどんな大学の学生を採用しているのか。コロナ禍の影響を受ける前の19年のランキングを見てみよう。武田薬品は同率1位に大阪大学と筑波大学が並び、同率3位に京都大学と九州大学が続いた。アステラス製薬は1位が東京大学、同率2位に大阪大、京大、慶應義塾大学が並んだ(中外製薬は2019年のランキング未作成)。
果たして20年のランキングの顔触れはどうなったのだろうか。