著者は、文書の使い回しでがっかりさせられた経験がある。ある企業の研修を終えた後に礼状が届き、嬉しく読んでいたのだが、「○○様のご活躍を祈念いたします」という一文の○○に著者でない名前が入っていたのだ。

 書類の書き換えミスを減らすコツは、変更箇所を赤字に変更し、目立つ状態で保存しておくことだ。例えば、取引先に会社案内を送る際の送り状であれば、「宛先」「日付」「送付数量」の部分を赤字にしておく。空白にしておくと、書式が崩れたり、必要な言葉を書き忘れてしまったりすることもあるだろう。一方、赤字にしておくと、そうしたミスが起こりにくい。

◆整理・整頓 編
◇書類は立てて保管する

 必要なファイルや書類などが見つからず、慌てて探したことはないだろうか。大事な商談があるのに、約束した企画書や見積りが見つからないと、大変なことになってしまう。

 机の上を整理・整頓する上での基本は、ファイルや書類を横に寝かせない、積み重ねないことである。下から上に積み重ねていくと、下になった書類の優先順位が下がってしまう。その結果、締切りに遅れるなどのミスやエラーが発生してしまうし、他の書類に紛れてしまう可能性もある。

 このような事態を防ぐためには、進行中の書類はクリアファイルに入れて、収納ボックスなどに立てて保管しておくのがよい。デスクの上だけでなく、引き出しの中も同様だ。書類を立てて保管しておけば、探しやすく、省スペースで保管できる。

◆コミュニケーション・報連相編
◇指示は6W3Hで確認する

 上司からの指示を聞くときの基本は、「メモをする」「指示は最後まで聞く」「質問があれば、確認する」「復唱する」だ。メモを取りながら、話をさえぎらずに聞いて、質問があれば聞き終えてから質問する。そして最後には復唱をして、間違いがないことを確認してから、作業を開始する。復唱をせず「はい」「わかりました」と返事をするだけだと、上司は不安になってしまう。

 ここで注意しておきたいのが「上司はすべてを言葉にしない」ということである。指示の確認不足で年間200万円の契約を失った、ある人の例を紹介しよう。上司から「A社に書類を送っておいて」と指示されたその人は、書類を顔なじみの担当者に送った。ところがその書類は機密情報で、本当ならば社長に届けるべきものだったのだ。指示を受けたとき、「誰に送るのですか」と確認していたら防げたミスである。