エンジンは全車4気筒
EV走行100kmのPHV設定

 新型Cクラスを“次世代の主流”と感じた最大の要因はパワートレーンだ。ガソリン、ディーゼルともに4気筒エンジンだけになり、すべてが最新世代(ディーゼルは初、ガソリンは第2世代)となるISGシステム(48Vマイルドハイブリッド)を採用。しかも上級版として、電気モーター+バッテリーのPHV仕様を設定したのだ。全車をエレクトリファイ(電動化)したシリーズは新型Cクラスがメルセデス初となる。

 注目は新開発のPHVが、WLTPモードで最大100kmをピュアEVとして振る舞うこと。4気筒エンジンと9速オートマチックとの間に組み込まれた95kW&440Nmの電気モーターを、荷室下に設置された25.4kWhのリチウムイオンバッテリーで駆動することで、フル充電時に100kmの航続距離を稼ぐ。

 航続距離100kmという数字そのものは、BEVであれば非難轟々だろう。けれども新型Cクラスはプラグインハイブリッド。ドライブ距離が伸びる場合、高効率の内燃機関が対応する。日々の移動距離が100kmを超えるというユーザーはさほど多くなく、アメリカでさえ平均60km程度といわれている。日本の平均的なユーザーはおそらくその半分、30km程度ではないか。あくまでも平均値なので実情はさまざまだろうが、それでもEVとして100kmの航続距離があればたいていの場合、環境負荷を最小に抑えて走れそうだ。